降りそで降らない一日。 風が強かった。
上野で、
鬱々とした表情の木像の数々を、 鬱々とした表情で眺め回して、 鬱々とした路上で、 鬱々と不味い酒を飲んで、 鬱々と帰宅して、
牧伸二さんは 真夜中の多摩川の川面を どんな気持ちで見下ろしたのかなあ、 と、締め上げられるような気分で、 鬱々と座っている。
いっそ明日はザッと降れ。