膝が痛い。
ご年配の方々から頻繁に聞かれる台詞だが、
いやはや、俺といえども、最早ご年配。
ちょっと普通じゃないくらいに痛い。
階段の昇り降りが冗談抜きでとても辛い。
特に降りるのがキツい。
レントゲンでは骨に異常ナシだったので、
どこか腱だとか筋だとか、
そんなのがオカシクなっているんだと思う。

足を引きずって北から帰って来た。
旅の間、出来るだけ記録を残しておこうと思っていたのだけれど、
疲れ果ててしまって途切れがちになってしまっている。

明日が今日になり、
今日が昨日になる。
記憶。明滅する場面。断片。
牛のようにそれ等を反芻しながら、
牛のように寝転がっている。

語るか？いや、語るまい。
出会うべき人々とは確実に出会って来た。
俺達だけが共有した場面。
それは俺達だけが知っていれば良い。
俺は、例えば、
スポットライトのようなものを追いかけて
旅を続けているのではない、と思っている。
もっと心の底の方に小さく灯される小さな蝋燭のあかり、
そんなようなものを追いかけているのだと思う。

まあ、よい。
なんちゅうか、オモロイ事も上手く言えん。
口が回らん。頭も回らん。
あれもこれも、
どんどん剥がれ落ちてしまえば良いのだ。
最後の最後まで残ったもの「のみ」で勝負する。

次は沖縄。
北の果てから南の果てへ。

旅は続く。