渋谷。
二日連続で渋谷で神様に出会った俺だ。
一人目の神様は山家本店のカウンターに座っていました。
前歯が全て抜け落ちていて何を喋っているのか、判別するのに手間取ったが、
昭和16年生まれで、中学を出たらすぐに札幌から上京したそうです。
「あんたにはまだ先があるけど、俺には今しかないんだ」
と20回くらい言っていました。
ブルースはブルース・バーとかライブ会場にあるものではなく、
街の底にあるものだ。
と、俺は思います。
二人目の神様は元は映画館だった所を改装したライブホールにいました。
圧倒的な輝きを放って高らかに歌われる歌に、
自然と涙が溢れてきたのでした。
もちろん、悲しい涙なんかじゃない、何か心の底の熱いお湯みたいなものでした。
上京して20余年の間で沢山観てきたライブの中で最も素晴らしかったです。
今の二階堂和美さんは、本当に、とんでもなく、素晴らしい。
バンドとの一体感も素晴らしかったです。
光と闇。
俺は一体、何を観たんだろうか。
それらは一体、何を指し示していたのだろうか。