2012年1月23日
吐き出される言葉がとても軽い。
それは「軽妙」という意味合いではなく、
「空虚」という意味合いにおいて絶望的に軽い。
軽いから、次から次へと言葉を重ねて、
重ねれば重ねる分量だけ、より一層軽くなるから、
遂にはまるで意味を為さない記号のようになり
故郷の粉雪みたいに風に飛ばされて、
その行方が分からなくなってしまった。
言葉を取り戻す為には
言葉を捨てる事が必要なのかもしれない。
捨て切った場所から、
その雪原のような場所から
不意に、しかし、ゆっくりと、湧き出すもの。
それが言葉と呼べるようなものなのかもしれない。
あるいは言葉とは呼べないものなのもかもしれない。
百万語費やして、遂に言い得なかった「何か」を、
一瞬の光の明滅が、一瞬の表情の変化が、
全て言い尽くす事も、確かに、ある。