キラキラ星はキラキラ光る

 

月は太陽より近いし、
太陽は土星より近い。
土星より月の方がデカく見えるけど、
実際には月より土星の方がデカい。

俺の立っている位置からは
全てキラキラ光る「お星さま」だ。
俺は月にも土星にも行く事はないだろうし、
行きたいとも思わない。
俺はただ眺めているだけだ。
俺にとって、
世の中の多くの事柄は
「お星さま」のようなものなのかもしれないなあ。
それは触れられる程に近くにあるようで、
果てしなく遠くに位置するものだ。
(果てしなく遠いように見えて、
否応無く皮膚に食い込んでくるもの、も、ある。)

酔っ払ってフラフラ帰る道。
夜更けの路地の「止まれ」の
消えかかってガサガサになった文字。
俺と直接繋がっているものは
そんなようなものばかり、だ。

そんな人生を俺はまあまあ気に入ってる。
歩けば踵がポックリポックリと
間抜けな音を立てて、
ロバみたいにポックリポックリと
歩こうと思う。