2013年2月17日

昔、「恐怖新聞」というマンガがあって、
悪霊が配達する恐怖新聞を一回読む毎に一日分、
寿命が削られて行く、という内容だったけれども、
一人エレキギターを打ち鳴らし、
泥酔の炎上混沌を繰り広げる度に、
俺の寿命も一年くらいずつ削られているのではないか、
というほどのダメージ。
こんな事に一体、何の意味があるというのか。
肺の中はからっ風で満タン。

古河駅前の「庄や」はいつまで経っても寒いのであった。
カウンターに無造作に置かれたノート紙。
女の子の文字で「始末書」と書いてある。
バンクレシートというものを二日分紛失したそうだ。
二度とこのようなミスは致しません、と書いてある。
おそらくその子であろう女子店員の「よろこんでえ?」は、
全く、完全に、完膚なきまでに、よろこんでない。
煮込みで大瓶一本と清酒一合を飲んで出る。

それから。
飲んで歌って、歌って飲んで。
歌って歌って、飲んで飲んで飲んで飲んで、歌う。
お約束通り、満タンのビールもバッチリひっくり返し、
毎度毎度のポンコツ劇場の情けない騒々しさ。
主催のサカイさん&Beepのみなさん、
来てくれて聴いてくれたみなさん、
本当に本当にありがとうございました。そして、すみませんでした。
それから、
グズグズのデレデレでテキトーな感じで退出してしまって、
本当に失礼いたしました、サカイさん!
嫌いにならないで!うう。
その後行った近所の「日本海庄や」のにいさんは
大皿にアホほど清酒を注ぎこぼし(サービスで皿にこぼす)、
結果、ぶっ倒れるまで飲むハメになった。

前日、庄やにやられた俺は、
翌朝、駅のロッテリアの有線から流れて来るSHOW-YAに
再び半殺しの追い打ちをかけられる。
俺を殺す気かショーヤ。
よろこべんぞショーヤ。
生まれて来てすみませんショーヤ。

尻尾を丸めた帰り道中はせめてグリーン車で、
などと贅沢な事を考えついたのも悪かった。
満席。
事前に買ったグリーン券は無駄になり、
車窓を肴の迎え酒にと購入した缶ビールをどうしてくれるのだ!
とアタマに来たので、
普通車両の吊り革にぶら下がって飲む。
朝っぱらから違和感全開。
背中に刺さる冷たい視線。
社会のものもらい。社会のイボ痔。社会の野良犬。
ポンコツ本線の車窓の空は
どんなに晴れていても灰色のモノクロームだ。

這うように荻窪に辿り着いて、
真っ直ぐ帰りたくない俺は蕎麦屋でダメ押しの一杯。
午前11時。
なにがなにやら、なにがなんだか。
虚脱ビッグウェーブ。
飲み干すビールはまるで、
からっ風のような味がしたのでありました。